
物価上昇といってもすべてのモノの値段が一律に上昇することはない。一般には、電気料金のように節約はできても消費自体はやめにくいものから先に大きく上昇する。反対に買い控えが起こりやすい食品などは、原価が上昇してもしばらくは企業側がコストカットなどでショックを吸収し、店頭価格に反映されるのらえることも多い。
こうした買い物以外の貯め方も最近は広がり、新聞・雑誌の定期購読や不動産仲介サービスの利用、さらには結婚式の式場利用や貸衣装利用でもまとまったポイントが付与されるようになってきた。人材派遣業との提携で、登録や面接ごと、在籍期間の延長ごとに大型ポイントが付与されるという仕組みまで登場している。
貯まったポイントは、そのまま使っても良いし、航空マイレージと相互交換しても良い。逆に、最小利は最後の最後だ。つまり物価上昇とは、消費者にわかりにくいところから忍び寄って来るものなのだ。
電気料金 | 2012 年9月に東京電力が家庭向け電力料金を8.46%引き上げたのに続き、13 年5月に関西電力(値上げ平均9.75%) と九州電力( 同6.23%)が値上げした。続いて9月には北海道・東北・四国の3社が一斉に値上げを実施。中部電力も来年早々の値上げが決まっている。 |
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ガソリン | レギュラーガソリンは昨年10 月末の147.5 円/ リットルから1 年で159.8円/ リットルと12 円以上の上昇。 |
ハンバーガー | マクドナルドがハンバーガーを100円から120 円に、モスバーガーがチーズバーガーを190 円から200 円に引き上げ。 |
食用油 | 日新オイリオグループとJオイルミルズが植物油を10 ~ 15%、オリーブオイルを20%以上、ごま油を10%以上値上げ |
牛乳 | 雪印メグミルク、明治、森永乳業が牛乳1リットルを1~4%値上げ |
では、じわじわと来る物価上昇に見合うだけのポイントを稼ぎ出すにはどうしたらいいのだろうか。
話を単純にするため、収入も消費の中身もすべて据え置きとし、物価上昇による支出のみが2%増えたと仮定しよう。その場合、年収500万円のサラリーマン家庭では毎月1万円、年間12万円の支出増となる。
この分を各種ポイントの「徹底活用」でまかなうことは、実はそんなにむずかしくない。たとえば、年末年始の帰省や夏休みの旅行のための航空マイレージを貯めることを目標とし、あちこちでまめにコツコツ貯めたポイントをすべて航空マイレージに集めて2人分くらいの特典航空券に交換すれば、現金12万円に相当する価値は十分稼ぎ出せる。実現のカギは、この「コツコツ貯めて」「寄せる」をいかに計画的かつ効率的に行なうかだ。
ポイント稼ぎで大切なのは、自分の生活パターンや仕事の形態において貯めやすいポイントは何かを知ること、そしてそれを取りこぼさないことだ。それでも大抵のポイントには「100ポイントから」などの最小利用単位が決まっており、そこまで貯めなければ使えない。使えないまま失効する取りこぼしを防ぐには、貯めたポイントを集めて整理す るのが確実である。
このためにまず入手しておきたいのが、「Tポイント」および「Ponta」に代表される共通ポイントサービスのカードである。
共通ポイントとは、共通カード1枚で異なる業種のポイントを貯めたり使ったりできるようにしたもの。国内で先鞭をつけたのは2003年10月にTSUTAYAが開始したTポイントだが、2010年3月にコ
ンビニのローソンなどで使えるPontaが参入。2大勢力の競合となったことで各カードの使い勝手はここ3年ほどで急激に向上した。
どちらのカードも、主に100円の買い物ごとに1ポイントが付与され、その1ポイントを1円として次回以降の買い物に使えるという基本の仕組みは同じだ。スーパーやガソリンスタンドで貯めたポイントでDVDを無料レンタルする、小銭がないときに端数をポイントで支払うという使い方である。対象商品を購入するとボーナスポイントを付けてもらえることも多い。

こうした買い物以外の貯め方も最近は広がり、新聞・雑誌の定期購読や不動産仲介サービスの利用、さらには結婚式の式場利用や貸衣装利用でもまとまったポイントが付与されるようになってきた。人材派遣業との提携で、登録や面接ごと、在籍期間の延長ごとに大型ポイントが付与されるという仕組みまで登場している。
貯まったポイントは、そのまま使っても良いし、航空マイレージと相互交換しても良い。逆に、最小用単位に満たない航空マイレージや銀行系ポイント、クレジットカードポイントをTポイントやPontaに交換することもできる。寄せて集めて、日用品や食事代に使えば1ポイントも取りこぼさずに現金をセーブできるわけだ。
Ponta ポイントの使い方としてとくにお得なのは、ローソン店内の店頭端末で発行される「Loppi お試し引換券」だろう。端末Loppiで、Pontaポイントを使って引換券を発行すると店内の対象商品を割引でゲットできるサービスだ。例えば店頭価格100円のペットボトル飲料の引換券が30ポイントで手に入るなど、ポイントで大幅割引を得られるのだ。
お金を使わずに貯めるには無料のスマホアプリ「Ponta タイム」がオススメ。バッジを集めながらポイントを貯められる。上手に活用すれば1ヶ月で 100 ポイント貯めることも不可能ではない。お金を使わなくても貯められるチャンスが充実しているのだ。
一方のTポイントも無料アプリでのゲームをプレイするだけでポイントが付与されるし、アンケートへの回答や食べログへの口コミの書き込みでも数10ポイントが獲得できる。なかでもユニークなのが佐賀県武雄市の市立図書館での取り組みだ。図書館運営をTSUTAYAに委託している同市では、図書の貸し出しをセルフカウンター(無人)で行なうごとに1回3ポイントのTポイントが付与される仕組みがある(有人カウンターを利用するとポイントは付与されない)。一部地域限定なのが難点だが、ポインターにとってはちょっと知的好奇心もくすぐられる、うれしいサービスと言えるだろう。
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会員数 | 4736 万人(2013 年10 月) | 5846 万人(2013 年10 月) |
利用できる店舗 | 107 社6 万3555 店舗 | 2 万2500 店舗 |
コンビニ | ファミリーマート、スリーエフ | ローソン |
レンタルDVD | TSUTAYA | GEO |
ガソリンスタンド | ENEOS | 昭和シェル石油 |
ホテル | 東急ホテルズ | ルートインホテルズ |
引越センター | アート引越センター | サカイ引越センター、日本通運 |
スーパー | マルエツ | ライフ |
飲食 | ガスト、 ドトールコーヒーショップ |
大戸屋、 ケンタッキーフライドチキン |
衣料 | 洋服の青山 | AOKI |
決済サービス | 楽天Edy | 楽天Edy |
会員数は、Tポイントは名寄せ後の実数、Pontaはカードを保有しサービスを利用している人数(会員情報登録前で「貯める」のみの利用者を含む)※一部地域または一部店舗のみ利用可能の場合もある
両カードとも年会費はかからず、1ポイント単位で利用可能なので、持っておいて損はない。基本的には両方のカードを持つのがオススメだ。あえて貯まったポイントを寄せたいなら還元率で交換内容を選ぼう。Pontaならばローソンのお試し引換券がオススメだ。Loppiを使うと50ポイントで350ミリリットルのチューハイ1缶と交換できるなど、現金購入に比した還元率は非常に高い。TポイントならばANAマイルとの交換だ。ANAマイルからの移行は1万マイル=1万Tポイントなのに、Tポイントからの移行は500Tポイント=250マイルなのが歯がゆいが、特典航空券との引き替えを狙う旅人には逃せない貴重な“陸マイル”ととらえたい。